続・アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」脚本家 吉田恵里香氏の問題発言は、何がダメだったのか。そしてKAI-YOU、ひいては「オタク系メディア」の問題

rag.hatenablog.com

前回からの続きです。


kai-you.net



■「暴力性」なんてワードを用いているのも、やはりダメ

これは、ぼざろ、またはアニメの話からは離れますが。


「恋愛を扱うドラマが描かれるときって、『恋愛しないと成長しない』とか、『恋で人生の全てが変わる』みたいな、恋愛が人生において最も重要なものとして描きがちというか、その考え方を押し付ける暴力性があるのではないかと、以前から気になっていたんです」

いや、個人的にはアンチ恋愛至上主義ですし、正直に言えば恋愛至上主義的なドラマ(なんてほぼ視聴したことないけど)の事は薄っすら馬鹿にしてる。また、恋愛至上主義を否定する恋愛ドラマを描いたって、もちろんよい。

…もちろんよいのだけれど、それと『恋愛ドラマは「暴力性」がある』みたいな言説とはまた別問題なんですよ。


「キャンセル・カルチャー」はなぜ問題なのか…? ネット時代特有の「意外な悪影響」

というかまず「暴力性」なるワードが雑なんよ。“「表現」は、『価値観の自由競争(市場)』における競合によるものであるならば、その意図の有無に関わらず、人を傷つけてもよい”くらい前提にしておいてほしい。

2021/06/26 17:25

ちゃんとこういう前提、踏まえてますか?っていう話なんです。


例えば「手に汗握る!バイオレンスアクション!」みたいな売り文句における“バイオレンス”(=暴力)は、大よそポジティブな意味でしょう。ですので、一概に「暴力性」がネガティブなワードだとは決めつけられない。

でも、吉田氏が用いている「暴力性」はそうではないですよね?
それは人を(特にマイノリティを)傷つけるものだ、よくないものだ、というニュアンスが含まれているわけですよね?


ついでに、このブコメの言及先の、「キャンセルカルチャー」に関する記事からも、少し気になる一文を引用しておきましょうか。

そして、「意見のなかにはマイノリティに対する暴力性が含まれるものがある」という認識は、そのような意見を議論の場で取り上げないことや、暴力性を含む意見を持つ人を議論の場から排除するという対応を正当化したのである。
https://gendai.media/articles/-/84505

これは“アカデミア”についての話ですが、エンタメについても大体は同じ事が言えるでしょう。

もちろん吉田氏はそこまで意識していないのかもしれない。しかし、であれば尚更の事、先の「性的搾取」もそうですが、この「暴力性」にしても、それらのワードがもつ『規範的に「市場」から排除する力』という、吉田氏自身の言動の「暴力性」に無頓着すぎるんですよ。
まぁ、もしそれを理解・意識したうえで仰っていたというのであれば、それはそれで邪悪すぎるんですけども。

■「お母さん保守(年齢的パターナリズム)」的思考が滲み出てるあたりもヤバい

「現実的に考えても、ギターを弾きながら胸が不自然に揺れ続けるみたいなことはないわけですし、そういう描写があったら私は幼い息子にその作品を見せるのを躊躇する。自分の子どもに見せられるかどうか、というのは大事にしている基準です」

これね。

まず、「ギターを弾きながら胸が不自然に揺れ続ける」みたいなバンドアニメがすぐには思い浮かばない*1のですが、それはともかくとして、幼い息子さんがいくつかは存じ上げませんけど、それは結局かなり「保守」色の強い、女児向けアニメ的な基準を、さも「アニメ脚本家」の矜持として披露されているだけですよね。


こちらは別のインタビュー記事。
ashita.biglobe.co.jp

吉田さんが脚本を手がけられた『ぼっち・ざ・ろっく!』(2022年)では、原作にあった“女性キャラクターの胸を笑いに変える”ような描写を割愛されたと、小説家・大前粟生さんとの対談(2023年実施)で拝見しました。本作も同じく10代の少女が主人公ですが、制作にあたって特に意識された点があれば教えていただけますか。

前橋ウィッチーズでは意図していない過剰な可愛さは描かないようにしました。これは監督とも話し合った点ですが、アニメでは女の子が走ると、意図せず内股で描かれることがありますよね。無意識のうちに当たり前にされている部分を再度この作品ではどうするかを話し合いました。意識してやるかやらないかの違いは非常に大きいと思っています。

この記事では、まるで“当たり前”を疑う革新者の様な扱いをされていますが*2、実際は前述の通り、女児向けアニメ的な「保守」でしかない。
「前橋ウィッチーズ」のメインキャラクターたちのスタイルも、かなり女児向けアニメのそれに近いですよね*3


“当たり前”を疑うのであればむしろ逆、つまり例えば、女児向けアニメのメインに巨乳キャラを出してもよいのではないか、乳揺れを実装してもよいのではないか、そういう方向性ですべきでしょう。実際、その「レギュレーション」*4に確固たる根拠などないのですから。

疑うなら、「自由」ではなく「規制」であるべきです。



そもそも、仮に年齢一桁の息子さんであっても、当然おっぱいに興味を持ったって良いワケで、さらに当然その興味に従って胸が揺れるアニメを嗜んだっていいワケですよ。何も問題はない。

旧来型の母親の感情として躊躇するのは仕方がないとしても、自身の「お母さん保守(年齢的パターナリズム)」的思考は自覚してほしいですし、また行為としての躊躇(つまり視聴制限)にまでは至らないよう、その思考を鎮めるべきでしょう。



以前、話題になった件も込みで
posfie.com
どうしても、Wokeism的な思想矯正志向が垣間見えてしまうんですよね…*5

■これは「表現規制」論者と判断されても仕方がないレベルの発言だわ…

99%の人が大丈夫でも、1%の過激な人が何かをしてしまうことで、アニメ文化が途絶える恐怖を感じています。様々な作品があるからこそ、ルールや節度、倫理観を保っていかなくてはいけない。過激な作品やR18まで振り切ったものがあってもいいですし、やると決めれば私も思いっきりそうした作品に関わることもあると思います。でもその場合は、しっかりと未成年が見られないような配慮が必要です」

「自分で選んで買う小説や演劇などと違って、より手軽に見れる媒体の場合は表現についてもっと考えなくてはいけないと思いますし、その考え方がもっとアニメ業界に浸透したらいいなとも思います」

このトークショー記事において、最もひどい発言はここかもしれない。「ノイズ」や「搾取」よりも。


“99%の人が大丈夫でも、1%の過激な人が何かをしてしまうことで、アニメ文化が途絶える恐怖を感じています。”の一文を最初に見たとき、いわゆる「ネトフェミ」の類による「放火」案件について述べてらっしゃるのかと思ったのですが、まさかの「表現する側」の事を仰っていたとは…。


まるで「“ルールや節度、倫理観”を守らない表現者がいるせいで、アニメ文化が途絶えるかもしれない」との仰り様。仮に“アニメ文化が途絶える”を「法規制される」や「外圧で潰される」の意味で用いているのであれば、それは「自主規制しなければ法規制」論のバリエーションでしかありません。

法規制の話ではなく、前述の「ネトフェミ」を含めた、いわば「Social Justice Wokeism」の手による「放火」で“アニメ文化が途絶える”という話であれば、それを「表現する側」のせいにするというのは、もう完全に視座がおかしいよねとしか言い様がありません。


どのみち、表現規制」論者と判断されても仕方がないレベルの発言です。


加えて、ここでも「お母さん保守(年齢的パターナリズム)」的思想が漏れ出ていますしね。本当にひどい。
大体「R18」にしたって、そんな確たる根拠のある「規制」ではないでしょうに。

吉田恵里香氏の問題発言もひどいが、KAI-YOUの記事がそのひどさを強化している

吉田氏の発言は確かにひどい。ただ、このKAI-YOUの記事が強化バフをかけているせいで、よりひどく見えている…というところは、確かにあります。

例えばそれは、タイトルにもある「加害性」というワードであり、または以下のような地の文の数々です。

今回のトークイベントで、吉田恵里香さんから特に強い抵抗感を示すものとして言及されたのは「キャラが性的に消費されること」だ。

特に『前橋ウィッチーズ』のような10代の女の子たちを描く作品の場合、現実に置き換えると未成年を性的に搾取するということになるといえば、問題の深刻さは明らかだ。

アニメには長年の歴史から生まれた多くのテンプレート的な表現がある。それ自体の是非はともかく、作品や時代に合わせて適切か否かを模索する思考は、今後より重要になりそうだ。

子どもも気軽にストリーミングサービスにアクセスできる現代において、ジャンル分けやゾーニングはもっと重要視されるべきと訴える。

吉田氏のWokeism的な思想をそのまま垂れ流すどころか、強化してお出ししてしまっている。もちろん、吉田氏の発言を捻じ曲げているとまでは思っていません*6。しかし、吉田氏の考えを汲んだうえで、インパクトの強い言葉を出力してしまっている。いわゆる「性的消費」とか。そして全体的に、よりやばいニュアンスの記事になってしまっている。


“関係各所に「なんでも知ってるな」と称される知性と感性”を持ったライターさん*7が、無批判的に“ゾーニング”というワードを使用する。このライターさんは、「ゾーニング表現規制」だという事を未だにご存じなかったのでしょうか。


ところでこのpost、

執筆しました🌸

目が覚めるお言葉の数々に大頷きと大感服で書かせていただいております🐅
https://x.com/oresamax/status/1967153405539037217

うーん?本気で「お目覚め」したのか、それとも逆に吉田氏を小馬鹿にしているのか…。

■KAI-YOU編集長さんこそ、ちゃんと読んでいますか?

次に前回も言及したKAI-YOU編集長、恩田氏のpost。

https://x.com/ondarion/status/1967783597097750981

この記事で言う“ノイズ”とは、深夜アニメ等でテンプレート化している表現(女の子たちが互いの胸の大きさについて言及し合う描写等)を指しています。

そんなことは、多分みんな知ってる。あと、水風呂で裸になるシーンも、吉田氏は「ノイズ」だと言ってる。

その点が『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品が持つテーマを伝えるために不必要な要素(ノイズ)であることは、『ぼっち・ざ・ろっく!』を観た私としては納得できました。また、吉田さんの発言から、表現や作品の価値や幅を狭めようという意図は一切感じませんでした。むしろ作品の持つポテンシャルを多くの人に知ってもらおうという、脚本家の努力や原作への敬意を強く感じた部分です。

これが全くの嘘である事は、前回の記事で指摘済み。

上記について、記事を最後まで読んでいただけた方にはご理解していただけると信じておりますが、Xでのポストで私が要点をまとめるに際して、真意の伝え方が不十分だった点があったと反省しております。

まるで、吉田氏の発言を批判した読者が誤解・誤読をしているかのような口ぶりである。
しかし実際は、熟読すればするほど、その発言の数々のひどさが明確になっていくことは既に述べてきた通りです。


恩田氏こそ、ちゃんとお読みになったのだろうか…?

■KAI-YOUの偉い人、その発言から見えてくる「オタク系メディア」の問題

そして最後に最もひどいのが、KAI-YOUのCEO(…らしい https://x.com/TYonemura)のこちら。既にpostは削除され、消えているようです。

そ ん な 話 じ ゃ な い だ ろ う 。

というかまず、急に“アイデンティティ”とか、“(社会的)ケア”とかいう概念が飛び出してきてて混乱する。…というか、もっと言えば「これ、やばやばWokeism信仰どっぷりじゃね?」という精神セキュリティアラートが鳴る。

あと、“依り代”って何。“オタク”は霊か何かなんですかね?(たぶん拠り所って言いたかったんだと思うけど)


仮に、「未成年キャラのえちえち描写」をアイデンティティの拠り所にしていたとして、何が問題なのだろうか。
いやそもそも、“アイデンティティの拠り所”なんていう重い理由がなければならないのだろうか。軽い趣味として嗜むのではいけないのだろうか。

まさか、軽い趣味の対象であるならば“削除”してもいいだろと、そう仰るつもりなのだろうか。アイデンティティは尊重すべきだが、趣味などはぞんざいに扱っても構わないだろうと、そう仰るつもりなのだろうか。


逆に言えば、アイデンティティは尊重すべきものだから、尊重に値しないそれはアイデンティティとは認められないという事だろうか。


「社会的なケア」とやらが具体的に何を指すのかは存じ上げませんが、「未成年キャラのえちえち描写」に需要があるならば、当然その需要は満たされるべきでしょう。そんな事すら理解できていないのだろうか。


“そう捉えていいのでしょうか”という言い回しにも、姑息さを感じます。

結局、このpostは「お前、ゲームなんてものをアイデンティティにしてるの?お前の事、本当にそういう奴だと思ってもいいの?」みたいな、昭和の残滓のようなそれと同類の発言に過ぎません。



むしろ、オタク系の話題を多く取り扱う「メディア」が、その偉い人が、未だに「ポリコレはNG」という事すらコンセンサスにできていないというのは、非常にマズイでしょうに。本当に大丈夫なのだろうか。


恐らくこれは、KAI-YOUだけの問題ではないでしょう。

人工知能学会表紙」の件から10年以上、「レイプレイ」の件から数えれば15年以上経ちましたが、「表現の自由」に関する問題について「メディア」の反応は鈍く、冷ややかだったと言わざるを得ません。ようやく最近になって、いわゆる「クレカ規制」の件で重い腰を上げ始めた、という感じでしょうか。

それまで主に戦ってきたのは、(ざっくり言えば)ただのネット民でしかない「オタク」たちでした*8。結果としてはご存じの通り、山田太郎氏や赤松健氏を国政の場に送り込む事に成功し、それを含めて「オタク」は、ある程度の発言力を持つことはできたかもしれません(決して余裕があるわけではないが)。

しかし、「メディア」が早く動いていれば、具体的に言うなら例えば「ポリコレ」の害毒性を報じていれば、「放火魔」たちのその振る舞いを報じていれば、もっと流れは違ったのではないでしょうか。

■身も蓋もない結論


「Social Justice Wokeism」こそが本当のノイズ。はっきりわかんだね。


結果としてはそうなりましたよね。

吉田恵里香氏による発信は…恐らく止まらないんでしょう。少なくともしばらくは。持ち上げてくる界隈もあるようですし。それはもう、ご自由になさってください、としか言い様がないです。
アニメ視聴の際、お名前を拝見して、その発信がチラついてノイズになる事は多分にあるとは思います。ですが、まぁそのへんはスキャンダルを食らった声優さんとかと同じなので…。

一方、「メディア」はきちんと反省できるか。今後どうするか、どうなるかという意味では、こちらの方が重要でしょう。さて、どうされますか?KAI-YOUさん。

*1:「ロックは淑女の嗜みでして」のキーボード担当の巨乳ネタはあったかな?

*2:まぁ記者が、そういう「物語」を描きたかったというのはあるだろうが。

*3:真アズは除く。

*4:明文化されているか否かは知らんが。

*5:とはいえ、これは息子さんのジェンダー的な矯正に失敗しているエピソードなので、「虐待」の様な強い言葉を使うほどではない事も窺えるが。

*6:トークショーが有料イベントであった事を考慮すると、記事の執筆・公開に際して恐らくスジは通してるだろうし、吉田氏のチェックが入っている可能性も高いと思う。実際、「加害性」とは言ってなくとも「暴力性」とは言ってるわけで。

*7:https://kai-you.net/author/tiisaikuma

*8:ざっくりなので、著名人が一人もいなかったとは言ってない。

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アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」脚本家 吉田恵里香氏の問題発言は、何がダメだったのか。「ノイズ」編


kai-you.net

半月ほどたって、状況もだいぶ落ち着いてきたかな?とは思いますが、そんなの知ったこっちゃねぇと言わんばかりの鉄を冷めてから打つスタイルでいってみたいと思います。
ではまず、今回の騒動において最も紛糾しているであろう、「ノイズ」発言から見ていきましょう。

吉田恵里香氏の主張する『「ノイズ」排除しないと“覇権”をとれない』論がまず根拠薄弱であり、現状ほぼほぼ嘘

「原作ではひとりちゃん(※主人公の後藤ひとり)が水風呂に入るシーンで裸になっているんですが、アニメでは水着にしてもらいました。ぼざろがそういう描写が売りの作品ならいいと思いますが、そうではないと思いますし、覇権を狙う上ではそうした描写はノイズになると思ったんです」

「原作がまず素晴らしく、原作サイドもとても協力的で、監督含めスタッフも音楽チームも本気で動いてるし、けろりらさん(※キャラクターデザイン/総作画監督)もすごく良い絵を描いてくれている。制作の段階からこれなら覇権が取れるって思える作品なのに、そうしたノイズがあると多くの人に見てもらえなくなってしまいます」

これについては、もう端的に言ってしまえば

原作者「ノイズ」脚本家「ノイズ」視聴者「不要」オタク「絶対必要」

『「ノイズ」排除しないと“覇権”をとれない』論がまず根拠薄弱で、実際はWokeカルトなノイジー層が騒ぐだけで“覇権”に負の影響はない、ってのが現実でしょ。 https://posfie.com/@mou_tamn/p/mhs3g6K https://posfie.com/@OOEDO4/p/25Nkts2

2025/09/16 16:40

これでおしまいである。

上のコメントでは「鬼滅の刃」について取り上げましたが、当然、他にも例はいくつも挙げられます。



例えば直近で言うと、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」ではマチュやニャアンが下着姿でガンダムの上に寝そべる様子が描写されています。また、水着シーンもあり、その胸部にフィーチャーしたアングルもあります。


「葬送のフリーレン」の様な作品でも、フェルンの豊乳ネタ(「空が半分しか見えなかった」)はあります。もちろん、フェルンによるシュタルクへの「ちっさ」発言もありましたね。


大ヒット映画「君の名は。」では、いわゆる乳揺れや、パンチラ、更にはセルフ(?)乳揉みまでやっています。


攻殻機動隊 S.A.C.」では

www.youtube.com

こんなシーンがありましたが、「いや今更かよ…!」とツッコミを入れざるを得ないくらいには、少佐(草薙素子)は普段から割とえr…えらい格好をしてます。


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」に至っては、金曜ロードショーにおいて綾波が乳首を披露するという快挙も果たしてます。もしかしたら、アニメキャラクターとしては「ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密」以来かもしれません。


その「ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密」を手掛けた杉井ギサブロー監督によるアニメ映画「ストリートファイターII MOVIE」でも、あの春麗がシャワーシーンで披露していますし、そのあと、風呂上りの比較的「無防備」な格好でのバトルに突入します。さすがに映画自体は昨今の「興行収入100億超え」レベルには及びませんが、一方、テーマ曲となった「恋しさと せつなさと 心強さと」は1994年のシングルCDランキング3位になっています。*1


繰り返しますが、『「ノイズ」排除しないと“覇権”をとれない』論は根拠薄弱であり、現状ではほぼほぼ嘘だとしか言い様がありません。
当然、『吉田さんが「ノイズ」を排除したおかげで実際に、ぼざろは成功して覇権クラスになったんだぞ』的な言説も、根拠のない妄言です。というか、この手の主張、原作だけではなくアニメにも滅茶苦茶失礼でしょ…。それ、『もし仮に吉田さんが「ノイズ」を排除してなかったら、ぼざろアニメは失敗していた』と言ってるも同然なわけですから。


■「ノイズ」という単語ひとつの問題ではなく、用いられた文脈が問題

原作に存在する描写を「ノイズ」と称する事、それ自体、角が立つ発言である事に違いはありません。しかし、「ノイズ」発言の本当の問題は、その用いられた文脈にこそあります。


では、吉田氏の「ノイズ」発言が、どの様な文脈で述べられたものなのか。それもKAI-YOUの記事に示されています。これは、記事における「ノイズ」発言の直上に位置する箇所からの引用です。

吉田恵里香さんの名前を一躍有名にしたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』も、同じく10代の女の子たちを描いた作品だが、こうした原作のある作品でも前述の姿勢は崩さない。

つまり、「ぼざろ」についての「ノイズ」発言がどの様なスタンス(姿勢)によって発せられたのか、それについて知りたければ“前述”を参照しなさい、という事になります。国語の問題ですね。

では、その“前述”を見てみましょう。

「ファンの皆さんにはキャラクターをどう捉えてもらっても構いませんし、個人で何を描いても、何を想像しても自由だと思います。ただ公式側が『さぁ搾取してください!』と言わんばかりにばら撒くのは抵抗があるんです」

「アニメの表現だからってなんでもありじゃない。“絵だけど、未成年だぞ”って考え方は大事にしています」

このスタンスに基づいて、「ぼざろ」原作に存在した幾つかの描写を「ノイズ」として“排除”*2した、という事実上の自白です。やばいですね☆


これも端的に問題を指摘するならば、以下の通りです。

「ノイズ」は脚本など物書き仕事では頻出ワードだが、業界内のニュアンスが伝わらず必要以上にネガティブに受け止められてしまう?

単語ひとつの問題ではない。「加害性」「暴力性」「性的消費・搾取」等、Wokeカルト頻出ワードを用いながら、規範批評的な『「表現」“排除”』を是とする事こそが問題。これは一般的な原作改変問題とは一線を画す。

2025/09/17 02:47

これは吉田氏の発言だけではなく、それを含めたKAI-YOUの記事そのものへの指摘ですが、大体はこういう事です。

今回のこの件は当該箇所の原作改変、それ自体の問題ではありません*3

内在批評的な技巧としての改変ではなく、また「消費者」の需要を鑑みた改変でもなく、外在批評・規範批評的な『「表現」“排除”』としての改変を是とする言説こそが問題なのです。そして、そういった文脈で、“排除”すべき「表現」を指す言葉として「ノイズ」という単語が用いられている事が問題なのです。

■そもそも「(性的)搾取」なんてワードを用いてる時点で、もうダメ

さて、では吉田氏の発言を、もう一度見てみましょうか。

ただ公式側が『さぁ搾取してください!』と言わんばかりにばら撒く

これですよ?

吉田氏にとって“抵抗がある”作風のアニメ、その描写は、つまるところ『アニメ公式がそのキャラクターを、“ファン”に搾取させるために差し出している』という事になるわけでしょう?アニメ公式と“ファン”との関係を、そういう世界観で捉えているって事になるでしょう?「ファンのみなさん、このキャラクターたちをどうぞ搾取してやってくだせぇ」みたいな。それを“ファン”も喜んで搾取してる、みたいな。そしてこれは、漫画や小説の作者と、読者との関係でも同様の事が言えるわけでしょう?

いや、意味わからないでしょ。もうね、こんな無茶苦茶な世界観を開陳して、問題発言扱いにならないわけがないんですよ…。


アニメキャラクターへの「搾取」、つまりアニメキャラクターから、現実の人間が不当に利益を得る…という状態が一体どういうそれなのか、全く分からない。それは「性的~」を付けても同じ事です。


そもそも「性的搾取」にせよ、記事内の地の文に登場する「性的消費」にせよ、Wokeism頻出のポンコツワードなわけじゃないですか。そのポンコツっぷりは、もう随分と前から指摘されていますよね。*4
posfie.com


はてな界隈で言えば、「性的消費」「性的搾取」といったワードを用いた
anond.hatelabo.jp
megalodon.jp
こんなトンデモ論もあったわけじゃないですか。もちろん、これに限らず同じような件は、この5年、10年、いやもっとか?…とにかく、しょっちゅうあったわけじゃないですか。

にもかかわらず未だに、「性的消費」「性的搾取」といったワードを迂闊にも用いてしまう。もうその時点で完全にアウトなんですよね。


というか、もしかして吉田氏も上に挙げた『「性的搾取」解説』増田と同レベルの思考でそれを述べているのか…?いや、まさかね。

■作品のテーマ(主題・主軸)を伝えるために“ノイズ”を排除しただけだ、という「反批判」派の無理筋な主張、というか嘘

この記事で言う“ノイズ”とは、深夜アニメ等でテンプレート化している表現(女の子たちが互いの胸の大きさについて言及し合う描写等)を指しています。

その点が『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品が持つテーマを伝えるために不必要な要素(ノイズ)であることは、『ぼっち・ざ・ろっく!』を観た私としては納得できました。
https://x.com/ondarion/status/1967783597097750981

KAI-YOU編集の、このpostなどに代表される『ノイズとは作品のテーマを伝えるためには不要な要素の事であり、ノイズの排除とは作品のテーマを伝えるための技巧だ』論ですが、はっきり言ってこれは無理があります。

もちろん、そういった技巧が存在する事は否定しません。極端な例を挙げれば「るろうに剣心」のOVA、「追憶編」「星霜編」などがそうでしょう。
追憶編は原作でも元からシリアスが強めだったとはいえ、僅かながらも存在したコメディ要素を排し、また格ゲーライクな必殺技描写も排したこのOVAは、正にそういった方針で作られた、テーマ性の強い*5作品だと言えると思います(とはいえ、原作要素に対して“ノイズ”なんて言い方をするかは些か疑問だが)。


では一方、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」のテーマ(主題・主軸)とは何だったのか。

そうした取捨選択をしつつも、原作のある作品の場合は特にメインのテーマを見失ってはならない。

『ぼっち・ざ・ろっく!』が好きなのは、根暗な子がバンドを通じて社会性を獲得していくことが軸になっていない部分です。ひとりは最初から最後までコミュニケーション能力に乏しいし、文化祭でも暴走してしまいます。根っこの部分では変わらないけど、バンドを通じて少しだけは変われたのかもしれない」

最初に読んだとき、「軸になっている部分です」と書いてあるのかと思ったのですが、逆でした。そう、「軸になっていない」と仰っているんです。

では何が「軸になっている」のか。残念ながら、そこははっきりとは述べられていません。なんかぼやっとした事しか仰っていないのです(これでよく、KAI-YOU記者と編集は「メインのテーマを見失ってはならない」なんて文を書いたな…)。


でもそれは、全然おかしな事ではない。


確かにバンド演奏シーンは見せ場となる場面だけれど、だからといって青春バンドアニメかと言われればそうとも言いづらい。でも、そうじゃないとも言いづらい。ぼっちちゃんの成長物語でもあるし、成長しない物語でもある。トンチキギャグアニメでもあるし、いわゆる美少女動物園でもある。そして酒カスもいる。そういう、言うなれば「軸のない」作品じゃないですか。ぼざろアニメって。

そこへ仮に、ぼっちちゃんの豊乳ネタが入ったとして、“ノイズ”になんてなるわけないじゃないですか。顔面に紙やすりをかける様なJKたちに「現実ではそんな会話しない」なんて言っても仕方がないじゃないですか。つーか、酒カスがOKで、豊乳ネタがNGって、相当に歪んだカルト信仰的な基準じゃないとありえないじゃないですか。


『作品のテーマ(主題・主軸)を伝えるために“ノイズ”を排除しただけだ』なんて、どう考えても嘘ですよね。


編集の人の

その点が『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品が持つテーマを伝えるために不必要な要素(ノイズ)であることは、『ぼっち・ざ・ろっく!』を観た私としては納得できました。

というpost、いやマジで何に納得したんですかね…?

■一旦まとめ

本当はまだまだダメなところはあるのだけれど、ちょっと長くなったので今回はここまで。「ノイズ」発言については、大体これで片付いたかな?


『「ノイズ」排除しないと“覇権”をとれない』論は根拠薄弱な嘘。『作品のテーマ(主題・主軸)を伝えるために“ノイズ”を排除しただけだ』論も嘘。Wokeismの様なカルト信仰に基づいて、「性的搾取」という粗雑なワードを用いながら規範批評的に『“排除”すべき「表現」=「ノイズ」』を規定しようとする言動は、最悪のお排泄物ムーブ。


ざっくりまとめると、こんな感じですかね。



続きの記事です。
rag.hatenablog.com

*1:ちなみに1位がミスチルの「innocent world」、2位が広瀬香美氏の「ロマンスの神様」。

*2:“排除”は吉田氏の発言ではなく記事の地の文だが、さすがに「別に排除のつもりはなかったんです」なんて言い訳はしますまい。

*3:いやまぁ、ぼっちちゃんの胸ナーフを悲しむ声は、当時もそれなりにあったと思うけどね。

*4:一応言っておくと、国連の定義とやらの「性的搾取」も、決してありがたがるようなものではないと考えてる。あれはあれで雑だよね。

*5:つっても、それを言語化しろと言われると困るが。

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はてなブックマーク20周年☆彡おめでとうございます!!!!11

自分が使い始めたのは10月頃なので、個人的な20thはもう少し後なんですけど、なんだかんだ長い事はてなブックマークを続けさせてもらっているので、とりあえずはまず、本当にありがとうございます。


今年は はてブ20thだよなーと、個人的には割とずっと気にしていたのですが*1、運営も誰も(観測範囲においては)何も言ってなかったので、もうみんな忘れてるというか、どうでもいいんだろうなー…とか思ってましたよ。運営さん、はてブの事ちゃんと覚えてたんな…。


さて、せっかくなので、はてブ20周年記念の はてなブログお題イベントにも乗っかってみようと思います。

blog.hatena.ne.jp

はてなブックマークで保存した記事・ページと、それにまつわるご自身の思い出やエピソードについて投稿してください。

印象に残っているブログ記事、「あとで読む」に保存しておいてよかったお役立ち記事が役に立った瞬間、定期的に読み返してしまう「おもしろ」タグの匿名記事にまつわるエピソード、話題のWebサービスと当時の思い出など、ご自身がブックマークしたページに関連したエピソードを募集しています!

…いや、無理でしょ。


自身と、ブクマした対象ページとの思い出とかあるか?そんなもん
はてブと、対象ページっていうのは、基本的にはなんというかその、ちょっと距離感があるもんじゃないですか。思い出とか、そういうウェットな関係じゃねぇんだよ…!!!

よしんばあったとしても、それはもう「はてブの思い出」ではなくて、自分とそのページとの思い出じゃないですか…。はてブ、あんま関係ないよね…。

まぁ逆なら、つまりブクマ付けられた側なら「はてブの思い出」を語れるかもしれませんが。例えばネガコメつけられたとか、ネガコメつけられたとか、あとネガコメつけられたとか。



blog.hatena.ne.jp

いくつかの投稿を見てみましたけど、割とみんな書くこと困ってる感ないですかね…うん。


いやね、前々からずっと地味に感じてなくはないくらいの感じなんですけどね、正直なとこ、運営が はてブエアプすぎるんよな、これ。
運営の人っていつもそうですね...!私たちのことなんだと思ってるんですか!?







と、愚痴っていても仕方がないので、なんとか「はてブの思い出」をひり出してみましょう…って事で思い浮かんだのがこれ。

b.hatena.ne.jp
いわゆるひとつのメタブタワーってやつですね。

そう、ブクマ対象が はてブなら、お題に沿ったまま「はてブの思い出」が語れるって事だよ…!


2007年のものなので、これが はてなブックマーク史上初めてのメタブタワーだった…というわけではないとは思いますが*2、個人的には初めて見たタワーだったと記憶しています。

ちなみに、その時の自分のブックマークコメントがこれ。

『『『『『『分裂勘違い君劇場 - 現在ネットストーカー?されているので(株)はてなに問い合わせました』へのコメント』へのコメント』へのコメント』へのコメント』へのコメント』へのコメント

どこのサガフロだよ(跳弾跳弾跳弾跳弾跳弾的な意味で。

2007/12/07 14:18

ちょっと意味が分からないかもしれませんが、当時、はてなブックマークのエントリーページ(コメント一覧ページ)の<title>は



https://web.archive.org/web/20071208172029/http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20071207/1196980472

このタブの箇所の様に「はてなブックマーク - 〇〇〇〇」*3という表記だったのです。つまり、メタブを積み上げていくと「はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - …」という<title>になるので、それについての当時の素直な感想がこれだった、という話です。

いや、懐かしいですねー(ん?…サガフロのほうがわからない?そっかぁ…)。



1段目のエントリーページ(コメント一覧ページ)ならともかく、さすがにメタブのアーカイブは中々残ってなさそうですしね。消えてしまったアカウントとの、メタブ積み上げバトルとか、もう今になって見ると完全に意味不明だよね…。

みんな、引退してもアカウントは残しておこう。



上の方で

はてブと、対象ページっていうのは、基本的にはなんというかその、ちょっと距離感があるもんじゃないですか。思い出とか、そういうウェットな関係じゃねぇんだよ…!!!

とか言っておいてなんですが、いま思えば、「はてな村」などと言われ始めた頃は、主に はてなダイアリーの一部界隈で盛んだった「言及文化」(とでも言えばいいのか?)からの流れで、はてブと対象ページとの距離感は今よりも少し近かったかもしれません。ウェットというほどではないにせよ。
現在ではもうその辺り、増田とはてブの関係にほとんど回収されちゃった感があるのかな。知らんけど。


個人的に思い出すのは、やっぱekkenさんかなー。ekkenさんのメインは はてダではなく、gooだかfc2だかのブログだったと思いますけど。今でも自分、稀にネットでバトる際、仮想敵(?)的に想定しているのは「ekkenさんのような何か」かもしれない。



はてブと対象ページとの距離感はともかく、運営さん、せめて ブコメ同士の「言及文化」くらいは、もう少し大切にしてくれてもいいんじゃないかなぁ…と思うんですけどね。いや、低能先生の件でidコールが廃止された流れとか、わからなくはないんだが*4。うーん。

anond.hatelabo.jp

みたいなの、公式で実装してくれたりしませんかね・・・。





はてなブックマーク20周年記念 特別お題キャンペーン #わたしのはてなブックマーク

はてなブックマーク20周年 特別お題キャンペーン
by はてなブックマーク20周年

*1:https://b.hatena.ne.jp/entry/4764361633802657056/comment/rag_en https://b.hatena.ne.jp/entry/4769180849303570337/comment/rag_en

*2:何層目からタワーと呼ぶかは正確には不明だが。

*3:〇〇〇〇はブクマ先の<title>

*4:そもそも個人的にはidコールは使ってなかったんだが。

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『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』感想…「やっぱり尺が足りてねぇ」

https://abema.tv/video/title/13-197


多分、次の日曜くらいまでABEMAで全話見れるっぽいし、世間の流れに乗ってジークアクスの感想を書いてみる。ネタバレは遠慮なくやってます。


■よかったところ

主にファースト、あとはゼータやエヴァネタで楽しく見れた事…と、言葉にすると本当に、たった一文になってしまうのだが。でもまぁ実際、1クール通して楽しませてもらったので、そこは素直によかったよねと思う。

末席レベルとはいえそれなりの期間「オタク」をやってれば、そりゃ、まんまファーストで流れていたBGMやSEが使われてるとニヤニヤしちゃうし、ゼータネタまでやるとは思ってなかったから6話あたりでは「バスク・オムwwww」てなったし、ジークアクスの覚醒(?)やジフレド周りの描写なんかは「エヴァやん」てなる。そらそうなる。


若い世代置いてけぼり…みたいな心配もわかるけど、個人的にはそこまで気にしてないかな。言うて自分だって、普通にだいぶ後になってから再放送でファーストを見たクチなわけで。

ジークアクスは、アナザーガンダムだったんだと思う

アナザーだけど宇宙世紀宇宙世紀だけどアナザー。しかもサンライズではなくカラーの制作なので、アナザーの更にアナザー。

上で挙げた“よかったところ”、ジークアクスの盛り上がりって、それこそ仮面ライダーディケイドに近いそれで、つまり、アナザーガンダムスターシステム的な感じで宇宙世紀ネタが登場するからこその楽しさというか。

ガンダムUCの「動く戦争博物館」みたいなのもニヤニヤ要素なんだけど、それとはまたちょっと違うよねと。


そういや今はもう、公式だとアナザーって言わないんだっけ?でもアナザーのほうが分かりやすいからなぁ。

■ファーストの「二次創作」って、どこが好きか(どこをフィーチャーしてるか)が割と出るよね

ジークアクスはもうはっきりと、「ニュータイプ」「シャリア・ブル」「ララァ」だから。かなり終盤のほう、劇場三部作でいう「めぐりあい宇宙」のあたり。「ギャン」「ビグ・ザム」「ア・バオア・クー」とかもか。

一方、例えば08小隊なんかは、雰囲気的にはやはり地球降下後、主に「哀・戦士」のあたり。そういやポケ戦や、0083もそうだけど、このへんのOVAってあんまニュータイプ要素を出してこないよね。オカルトよりもミリタリーというか。

ジークアクス(MS)のデザインは、もう少しこう何というか 手心というか…

あの赤いライン、最近のガンプラは色分け再現がすごいとはいえ、どう考えても、少なくともHGではシールになるやろ…。
あと、白いガンダムの頭部、もうちょっと元のガンダムに寄せてもよかったのでは。額と顎の赤とか、目の黄色とか。

■結局、シュウジがなんなのかわからん

いや、マジで。「向こう側」から来た奴ってのはわかるとして、で、なんなん?と。「向こう側」の一般市民なのか?
なんならもういっそ、エルメスのビットが「薔薇ララァ」の念で擬人化したもの、とか言われたほうが分かる。あと、ジーンのザクに細工して故障させたとか、そういう設定があってもよかったのでは、と思った。

■あと、アルファとかオメガとかもわからん

ワイがちゃんと説明聞いてなかっただけか?

α世界線とかそういう感じの話?

でもガンダム的にはαとかβとかγとかΔとかって、コードネーム的なあれだよね。ゼータガンダムのΖ、クスィーガンダムのΞみたいな。

世界線云々はわかるような、わからんような

「薔薇ララァ」の世界線は、いわゆる「正史」とは違うよってのは、まぁわかる。「光る宇宙」でシャアのほうが殺されとるし。
でも一方で、どこかで聞いた声のエンディミオン・ユニットさんは「ワイ、これ以上ララァを殺りたくないんや…」みたいな事を言っとるしなぁ。

というかララァ(GQ)が言ってた、何回やっても何回やってもシャアがGAME OVERになるの、アクシズショックの話だと思ってたわ。よく聞いたら違うんだけども。

そういやこの、世界線ループネタって多分、元々は新劇場版ヱヴァでやろうとしてたやつだよね、恐らく。なんかヱヴァQでぐちゃぐちゃになって、結局その設定ほのめかすくらいの感じになっちゃってた気がするけど。
まぁ途中で放送してた、「まどマギ」のほうで有名になっちゃったからね…。

■放送時間はよかったけど、放送枠は…

リアタイ視聴を意識した放送時間の設定は、結果として成功だったと思う。ただ、放送枠はなぁ。録画云々の問題が言われてたけど、抱き合わせになってた上田と女がなんちゃらとかいうの、ぶっちゃけ「オタク」が一番嫌いそうなやつじゃね。

■なんとか坂のあれ(坂なんてボンボン坂くらいしかわからん)

量産型リコとか、ガンプラ界隈でもほぼほぼ空気やろ。知らんけど。

騒動は、さすがにもうほとんど収まった感はあるが。
これ、なんとか坂さんだからまだあの程度で済んだけど、例えばジャニタレだったり、KPOPアイドルだったりしたらもっとヤバかったよね。

まぁともかく、騒動含めて「ジークアクスは現象だった」みたいに総括されそう。



■各話感想

・第1話 赤いガンダム
ガールミーツガールのところは、なんというか最近よくあるアニメ採用したMVみたいだな、と思った。なんか駅の背景薄いのとか、ビルの屋上の神社(?)のシーンあたりでは歌流れてたのとか、そのへんのせいだと思うけど。
ガールミーツガンダムのところは、後々キラキラ会話があんなに多用されるんだし、いっそもうキラキラでガールミーツボーイまでやってよかったのでは?と思った。2~3秒でもいいから。直接会った事ないとキラキラ会話できないみたいな縛りがあるのかもしれんが。


・第2話 白いガンダム
いきなり話ぶった切るのかよ!!てなった。第1話でマチュとニャアンの物語が始まったばかりなのに。まだシュウジも登場してないのに。いま思えば、今後もマチュたちの物語の尺が犠牲になるぞ…という事が示唆されていたのかもしれない。
後、「ガンダム大地に立つ!!」エピソードを、シャリア・ブルが回想してるみたいな感じになってるのはおかしくね?と思った。


・第3話 クランバトルのマチュ
マチュが橋の下(?)のキラキラ壁画のところまでいきなり走っていったところが分かりづらい…。ノーヒントで発見するの、NTの勘すごくね?てなった。第1話の、ポメラニアンズのところに配達行く途中で通ってたのな。第2話を挟んでるのと、後、そもそも第1話で「なにこの壁画」くらいの反応してくれないと…。


・第4話 魔女の戦争
シイコ回。メイン3人はとりあえず置いとくとして、ジークアクスオリジナルキャラで最も爪痕を残したのはこの人か?
マチュ、「(相手を殺すくらいじゃないと)シュウジに届かない」と言いつつ、結果として不殺でフィニッシュなんだけど、実際のところ、この後は最終決戦まで、マチュはまともに戦う機会がないという。
なお、数試合ぶんの描写はぶっ飛ばされた模様。これが後々、描写不足として効いてくるんよな…。マチュたちにとって、クランバトルの短期目標が試合に勝つ事なら、長期目標は地球に行くことだと思うのだけれど、その長期目標を定めるシーンをさらっと回想で済ますのはちょっと…。


・第5話 ニャアンはキラキラを知らない
何の前フリもなく、ニャアンもNTでした。うーん。あとニャアン的には「ほとんど見てるだけで置いてけぼりだった自分も、ようやくジークアクスに乗って戦えた、キラキラが見えた」みたいな感じなんだろうけど、視聴者的にはクランバトル、2話しかやってないので…。


・第6話 キシリア暗殺計画
後から思うと、「ここ何とかもうちょっと尺詰められなかったか?」と。いや、難しいか?
ギスギス回。っつっても、マチュが一方的にそうなってるだけか。ただまぁやっぱ描写不足で、そもそもマチュ・ニャアン・シュウジの、3人の(あと+ポメラニアンズの)「いつメン」感がそんなにないので、ギスってても「あんなに一緒だったのに」みたいな気持ちにならないというかなんというか…。というかワイはぶっちゃけ、いつの間にマチュがシュウジにそこまで惚れてたのかもわかっとらんのだが。


・第7話 マチュのリベリオン
サイコ・ガンダム! ハンブラビ! ギャン!
あとジークアクスのエヴァっぽい暴走(未遂)!
厳密には前話の感想だけど、「ドゥー」の名前を聞いた瞬間「あっ…2番目の」てなるのはガノタの性よな。一応、Wのトロワのほうも含めて。あと、世代的には柔道漫画「YAWARA!」に出てきた富士子さんの掛け声「アン・ドゥ・トロワ!!」で覚えたよな、と思った。


・第8話 月に墜(堕)ちる
ニャアン、ジフレドの格納庫へエグザベくんの車で会話しながら向かう→格納庫で毒ケーキくんと出会う→格納庫を後にして、宿舎(?)へエグザベくんの車で会話しながら向かう→到着後、宿舎(?)の玄関前で毒ケーキくんから呼び出しの連絡→格納庫へ戻る→ジフレドの前で毒ケーキパーティをはじめる…の流れは、さすがにアホすぎるやろと思った。無駄に行き来させられるRPGみたいな。
あと、シロウズくんそこはメカクレじゃなくてグラサンじゃないのか。


・第9話 シャロンの薔薇
マチュの、あれだけ行きたがっていたはずの地球編が、いくらなんでも弾丸旅行すぎる。ニャアンやシュウジがいないとはいえ、もうちょっとなんかあるやろ。
GQララァとも、ちょろっと会話したくらいで、なんというか会話イベントで次イベントのフラグを立てただけ、みたいな。そんな感じ。


・第10話 イオマグヌッソ封鎖
まぁ散々言われてるけどギレン処理のRTA感がすごい。「ギレン、山ちゃんかー」と思ってるうちに出番が終わった。キシリアとギレン、どうして差がついたのか…。
尺足りてない割には、シャリア・ブルの過去編には注力してるんよな。ただ、宇宙世紀における木星での活動がアニメで描写されたのは貴重っちゃ貴重か?というかマチュ、ヒゲマンやコモリちゃんとはいつの間に仲良くなったのだろう。一応、形式上は独房生活ではあるみたいだけど。
マチュが不殺でここまできてる一方で、ニャアンのキルスコアが(イオマグヌッソ起動を含めれば)すごいことに。イオマグヌッソを除いても、普通にビグ・ザム撃破してるしね。この距離ならバr(ryって感じで、そのへんは迷いがない。


・第11話 アルファ殺したち
その曲なら、出てくるのはνガンダムやろ…と思った。
マチュがヒゲマンからもらった銃、「え、そんな使い方なん!?」てなった。何か、その辺りについての説明あったっけ。ワイが聞いてなかっただけか?
ニャアンの銃の使い方、というかニャアンとキシリアの関係については、限られた尺ながらも上手く描いてたと思う。それと比べるとやっぱマチュとララァのほうは…。
あと、マチュが天井から落ちて来たのは「そうはならんやろ」てなった。Anotherなら死んでた(重力が弱いんだろうけど)。


・第12話 だから僕は…
これはもう個人的な好みの話ではあるんだが、ラスボスがRX-78-2ガンダムだとして、最近のガンプラの、RG2.0とかPGのアレ*1とかみたいな、ディテール増し増しにフェイズシフトして、ジークアクスと並んでも合う感じにしてから戦ってほしかった。ガンダムが「あの」デザインなのは意図的なのだろうと、それは分かるけど、でも、個人的にはやっぱ浮いてる感じが気になるんよな。メタっぽさが強くてネタ臭く感じちゃう。「全修。」の、広瀬ナツ子の能力みたいな。いや、あれはあれで真剣に戦ってるんだけども。
デカくなる(ハイパー化?)のもなぁ。いわゆるリアルロボットの戦いではなく、スーパーロボットの戦いっぽくなっちゃったというか*2進撃の巨人っぽくなっちゃったというか、うーん。前話でシャアの変身とかやってるので今更ではあるのだが、ちゃんとそこは真面目にやってほしかった*3。半ば思いつきだった*4みたいだし。そもそも巨大化は負けフラグやでぇ。




各話感想になると、どうしても粗が気になるというか、ディスり寄りにならざるを得ない。まぁ概して言えば、やはり「尺が足りてねぇ」って話になると思う。それ以外の話もしとるっちゃしとるが。


■ぼくのかんがえたさいていげんのじーくあくす

可能な限りそのままで、最低限弄るならこんな感じ。


・第1話 赤いガンダム
上の各話感想でも書いた通り、キラキラガールミーツボーイしとく。会話なしでいいから。


・第2話 クランバトルのマチュ
さすがにこっちが先やろ、と。せめてここまではぶった切らずに。


・第3話 白いガンダム
ガンダム大地に立つ!!」エピソード~カラーリング変更で赤いガンダムへ…あたりまでで一旦終了。このムービーを、サイド6のこじんまりとした秘宝館の様なジオン博物館のシアターで観るマチュたち3人、みたいな。残りの尺で、街ぶらぶらしながら「地球を目指す」という目標を定める感じ。


・第4話 魔女の戦争
ポメ社長からシイコの資料をもらって、3人で作戦を立てる…くらいのシーンはあってもいいんじゃないですかね。


・第5話 ニャアンはキラキラを知らない
・第6話 キシリア暗殺計画
・第7話 マチュのリベリオン
とりあえずそのまま。


・第8話 月(地球)に墜ちる
シャアとフラナガンとの会話~ゼクノヴァまで。こっちはシャリア・ブルの回想でいいかな。いないシーンはもちろんあるけども。残りの尺でマチュの脱出劇。地球に墜ちるところまでやってもいいかも。


・第9話 月に堕ちる
ニャアン回をもうちょっと丁寧に。尺に余裕があったらプルシリーズでも出してプロトタイプキュベレイと模擬戦でもすれば。Cパートでララァ登場するくらいやってもいいかも。どうせ次回予告で出るんだし。


・第10話 シャロンの薔薇
やっぱ一旦、マチュとララァ(GQ)で館からの逃避行&薔薇探しの旅はしたほがいいと思う。2泊3日か1泊2日でもいいから。合宿の恋バナみたいな事しながら。最終的には「これ以上は薔薇に近づけない」とララァ(GQ)が歩みを止めて、タイミングよく館の追手がやってくる、みたいな。


・第11話 イオマグヌッソ封鎖
・第12話 アルファ殺したち
・第13話 だから僕は…
基本的な流れはそのまま。ラスボス戦については上の感想で述べた通り。いや、何ならラスボスはνガンダムでもいいんじゃね?まである。あのアクシズショック後のνガンダムなら、残りは予備サーベル1本のはず。
マチュがシャアに向かって「ララァ(GQ)の所へ会いに行けやボケェ」みたいな事を言うシーンはほしいかも。


・3.5話 or 4.5話
4話の前か後ろに、できれば「通常回」がほしい。THE「通常回」って感じなら前、「やっぱり今回も殺せなかったよ…」みたいなエピソードを入れるなら後ろ。敵のジャンク屋として、ブッホ・コンツェルンの前身のジャンク会社とか出したら。MSはグフ系で。
ただ、これだと全14話になるので、初回は1時間スペシャルにせんと。


他にも気になるところはあったかもだけど、とりあえず思いつく限りではこんな感じ。主に、3人の「いつメン」感の強化と、マチュとララァの関係の強化かな。終盤の事を考えると。
あと、誰かが言ってたけど、最近やってたリコリス・リコイルのそれみたいな、YouTubeのショートムービーで補完というのもアリかも。


まぁそこまでやっても、このへん
togetter.com
の「にんころ」感はどうしようもないんですけどね…。

■いっその事、2クールにしたら

勢いがなくなる、という意見もわかるけど、同様にSNS等の反応を意識してたであろう水星の魔女も2クールやってたしなぁ。なんとかなるんちゃう?(テキトー)

なお、制作コストの事は考えないものとする。ほら、ガンプラたくさん出せるし…ね?実際、ファースト~ゼータ頃のMSのリブートとしては、1クールで終わらせるのはもったいないっちゃもったいない。


問題は、戦う理由をどうするのかという。実際、マチュは4話の魔女戦の後、最終決戦までまともに戦ってないわけで。


「正史」だとジオンが残党化して、それをどうにかする名目で連邦が無茶苦茶しよるし、ジオン残党のほうも無茶苦茶しよる…というのが大雑把な流れだと思うが、ジークアクス世界線だとそのあたりをどうするか。連邦はさすがに弱体化はしても残党化はしないからな…。*5


連邦が弱体化して、とある一国が調子こいて地上支配までしてる…という構図は、ザンスカールの頃に似てる気がするので、表面上はジオンと争えない連邦が、レジスタンス組織を裏でこそこそ支援してる、みたいな。なんならもう、レジスタンスの名前、リガ・ミリティアにしてしまえば。
マチュはレジスタンス側でジオンと戦うのか、ジオン側でレジスタンスを潰していくのか、どっちかわからんが。ニャアンはまぁ、ジオン側だろうけど。


ちなみに、Vガンダムに出てきたロメロさん(CV 茶風林)が大よそマチュたちと同世代です。「昔取った杵柄」のそれが見れるかも。やったね!(どこ需要だよ)

*1:https://bandai-hobby.net/site/pgu-gundam/ …やっぱこれはやりすぎかも。

*2:リアルだのスーパーだのの定義は置いておくとして。

*3:真面目の定義は置いておくとして。

*4:https://www.cinematoday.jp/news/N0149542

*5:作中ではバスク・オムがキリシアの暗殺をしかけてたけど、逆に言えばアレが限界。

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続々・hokke-ookamiさんのリテラシーが相変わらずアクロバティックすぎる件

前回、前々回からの続きです。

hokke-ookamiさんのリテラシーが相変わらずアクロバティックすぎる件、あと「はてサ」のエコチェンがグロすぎる件 - Click Game.

続・hokke-ookamiさんのリテラシーが相変わらずアクロバティックすぎる件 - Click Game.




hokke-ookami.hatenablog.com

またまた相変わらずのアクロバティックっぷりである。



 通じませんも何も、何が主題なのかを説明することは、主題に関連する別の話題は言及しないという話ではないし、主題とは異なる話題に言及しないという話でもない。

“コメント群”をとりあげたが、それはあくまで話の枕に過ぎなかったという事でしょうか。


しかし、こちらが述べた

なんか、2ヶ月くらい前に此方がつけたブコメにケチつけにきたらしい。

に対して何かしらまともな応答をするならば、大別してそれは「はい、ケチをつけにきました」か「いいえ、ケチをつけにきたわけではありません」のどちらかになります。

hokke-ookamiさんは、“2ヶ月くらい前に此方がつけたブコメにケチつけにきたらしい”に反駁する形で主張を述べているわけですから、当然それは「いいえ、ケチをつけにきたわけではありません」であると考えるのが妥当でしょう。つまり「“コメント群”を取り上げたが、それはその“コメント群”へのケチつけではない」の意味になるはずです。


しかし、それが嘘である事は前回述べた通りです。

なんか、2ヶ月くらい前に此方がつけたブコメにケチつけにきたらしい。

 エントリを読めばわかるはずだが、「タコ部屋」や「生活保護不正受給」といった難癖が現在までつづいているという暇な空白氏の問題が主題だ。

注釈も含め、こちらが使用した「一点突破」という言葉を擦っておきながら、「rag_enらのブコメに対するケチのつもりでは無かった」は通じませんね。

また上記のコメント群は「タコ部屋」がすでに争点ではない主張であるかのように主張をしているが、そもそもColaboの告訴から時間がかかっていることを無視している。

これも明らかに“コメント群”を問題視していますし、

 もしも、決着がついた争点は無視するべきというなら、その批判は主張をとりさげなかった暇な空白氏に向かうべきだった。告訴、書類送検、地裁敗訴、いくらでもその機会はあった。

こちらも「その批判は~向かうべきだった」における、その批判行為の主体は“コメント群”を指すと解釈するのが、一般的な読解として妥当でしょう。

明らかに、“コメント群”への「ケチ」です。



また、本当に「“コメント群”をとりあげたが、それはその“コメント群”へのケチつけではない」というつもりなのであれば、これも前回述べた通り、「“コメント群”を例とした、“暇アノン”や“アンフェ”の言動について」といった様な意味に「誤読」したブコメ群へ、苦言を呈するべきでしょう。なぜ、今回の記事ですら、そうされなかったのでしょうか。

 私の別の文章や第三者のコメントの反応をもとにrag_en氏は自身らが批判されたことを証明しようとしているようだが、無意味な努力にすぎない。

無意味な努力とは…?どう見ても、めちゃくちゃ意味ありますよね。



では、もっと視覚的に分かりやすくしてみましょうか。


支援団体Colaboへの「タコ部屋」や「生活保護不正受給」といった難癖は少なくとも現在まで続いていた - 法華狼の日記

ブルーが“コメント群”への「ケチ」が述べられた箇所、レッドが暇空氏について言及された箇所、グレーが引用部分の箇所です。残りはタイトルと冒頭、あとはリンクです。

更に、引用箇所も青赤で色分けすれば

こうなります*1



だいぶhokke-ookamiさんに甘めに見て、これです。これで「話の枕として、“コメント群”をとりあげただけだ」とするのは無理でしょうし、“主題”が「“コメント群”へのケチではなく、暇空氏への言及だった」とするのは些か厳しいものがあります。


ちなみに、“甘めに見て”というのは

 また上記のコメント群は「タコ部屋」がすでに争点ではない主張であるかのように主張をしているが、そもそもColaboの告訴から時間がかかっていることを無視している。
 告訴がようやく受理されたのも2024年2月で1年以上前だ。しかも報道された時点では起訴が決定していないのに報道されることへ反発する意見が賛同を集めていた。

 くわえて、告訴や書類送検までに暇な空白氏は「タコ部屋」という主張をとりさげたわけではない。東京新聞記者の望月氏に対する名誉棄損裁判をつづけ、今回に控訴審でも敗北したという。

 注意すべきは、神原氏も望月氏も暇な空白氏が訴えたのであって、逆ではないということ。「タコ部屋」という争点が「突破」されたなら、望月氏に対しては控訴しない選択肢もあった。

 もしも、決着がついた争点は無視するべきというなら、その批判は主張をとりさげなかった暇な空白氏に向かうべきだった。告訴、書類送検、地裁敗訴、いくらでもその機会はあった。

リンクや引用を除けば、連続してこの様な文章になっていたからです。

“くわえて”とある通り、文章構成からすればそれは“コメント群”への「ケチ」を補強する形で、暇空氏についての言及が行われたと読むのが、通常の読解でしょう。うん、本当にどちらが“主題”なんですかね?

これは、hokke-ookamiさんがどの様な意図であったかは全く関係ありません。観測される事実としての話です。





暇な空白氏がColaboに対して11の虚偽で攻撃したと認められた判決でも、根拠なく断言しつづければ「暇空氏による、Colaboへの名誉毀損についての裁判」とは無関係になるとでも思っているのかな?

 さらにrag_en氏は暇な空白氏が神原氏らとの裁判も対Colabo裁判と位置づけてカンパを使用している状況を無視して、負けた裁判はColaboと関係ないかのように主張する。

“文脈”だの“関係”だの、そういったふわっとした言葉を用いていることこそが、正に“ほぼほぼ詐術みたいな言説”だと指摘しているのですが、この期に及んでまだ理解されていないのでしょうか。

いい加減、「これは一連の暇空・Colabo裁判なんだ!だから関係あるんだ!」みたいな、程度の低い話をするのはやめてください。




対して、こちらは明快です。

hokke-ookamiさんは「暇空氏は「タコ部屋」の件を含め、11件の名誉毀損が裁判で認められ、またその11件について名誉毀損罪で起訴された」とお考えなのか否か、その事について、誤魔化しなく明確に回答していただくだけです。なぜそれができないのでしょう。



もし仮に、“関係”という言葉を用いるとしても、ここでいう「関係がある」とは即ち、「暇空氏は、11件の名誉毀損が裁判で認められ、またその11件について名誉毀損罪で起訴された」という意味に限定されるので、つまり、もしその意味で「関係がある」と強弁されるのであれば、hokke-ookamiさんこそがその根拠を示す必要があります。

 もちろんColaboと仁藤夢乃氏側が訴えた民事訴訟により、暇な空白氏が複数の争点で名誉棄損をおこなったという判決はすでに出ているし、報道されている。220万円という比較的に高額な賠償金も認められた。*2

と、はっきり仰っているのですから、きっとできるはずです。


「未だに「タコ部屋」一点突破である」というのは、報道等から観測できる「事実」であって、こちらのブコメはその事を述べたに過ぎませんし、また、それの否定は「事実」の否定に他ならないでしょう。

(中略)

支援団体Colaboの主張がほとんど正しいと名誉棄損裁判で認められ、それなりに高額な賠償金も認められたとのこと - 法華狼の日記

 上記エントリは地裁段階でのエントリだが、すでに高裁でもColaboは勝訴している。たしかにrag_en氏の主観における「事実」を私は否定するが、その根拠はrag_en氏がふれない報道によるものだ。

なぜここで、“その根拠”となる報道記事へのリンクではなく、自身の記事をリンクしているのかは謎だが。



さて、その過去記事で触れられている“報道”についてですが*3

「暇空茜」氏敗訴 合計220万円の支払い命令 対Colabo訴訟(小川たまか) - エキスパート - Yahoo!ニュース

よく読むと、実は「判決において、何が名誉毀損とされたか」については書かれていません。そんなものをソースとしてしまうのは、正直ちょっと…。

もちろん、

生活保護不正受給」「少女をタコ部屋に住まわせている」といった事実無根の内容を拡散されたとして1100万円の損害賠償や記事の削除などを求めた裁判

と、何を訴えたのかは書かれているので、これがその内容なのだろうと察する事はできますが、それ以外には「判決において、何が名誉毀損とされたか」が分かる内容はありません。なお、追記箇所は「Colabo側が、判決をこの様に評価しています」という話が書かれているだけです。



というかですよ、こちらが2024年7月18日の地裁判決についての報道を見ていないとするのであれば、それはいくらなんでもナメすぎでしょ。


Colaboの名誉を毀損、「暇空茜」名乗る男性に賠償命令:朝日新聞

 判決は、投稿が経済的に困窮する支援対象の女性を手狭な部屋に居住させ、劣悪な住環境に置いている印象を生じさせる内容で、原告の社会的評価を低下させたと指摘。投稿内容が事実である的確な証拠はないことから「投稿は真実ではなく、真実と信じた相当な理由もない」と判断し、名誉毀損(きそん)の成立を認めた。

やはり、こちらが元ブコメ*4で触れた通りの“一点”についてしか書かれていません。これは客観的に観測できる事実です。ですので、前々回の記事でも述べた通り、これはもう、「暇空氏が複数(11件?)の争点で名誉毀損をおこなったという判決はすでに出ている」と主張するhokke-ookamiさんが嘘をついてるか、報道(例えば上の朝日新聞のそれ)が嘘をついてる*5かのどちらかなんですよ。




 そもそもこの論争において、rag_en氏はColaboが「一点突破」していることを疑問視していたはずだ。

“この論争”というのがrag_enとhokke-ookamiさんによるそれの事であるならば、そんな話は一切していません。この件についてこちらが述べているのは、一貫して「hokke-ookamiさんのリテラシーが相変わらずアクロバティックすぎる件」です。タイトルが主題であるとは限りませんが、今回については、ただただそれだけの話です。

まさに、そういう脳内変換をやらかしてしまう事こそが、アクロバティック読解をしてしまう原因なのだと、自覚されたほうが賢明でしょう。

 そこで暇な空白氏を名誉棄損としてあつかうことができなくても、その主張の虚偽性をおおやけに示せたことはColaboにとっては一定の「突破」ではないだろうか、という話をしてきたわけだ。

これについても既に、前の記事で述べた通りです。

こちらが用いた“一点突破”とは違う意味での「一点突破」だと仰るのであれば、例えば『別の意味で「一点突破」を目指しているのは暇な空白氏や過去の同調者だ。』といった様な記述をすべきでしょう。
もちろんこの場合でも、それは本当に単なる「擦り」であって、こちらの用いた“一点突破”というコメントへの批判にはなりえませんが。

結局のところ、上述の“関係”という言葉と同様、「(一点)突破」という言葉を雑に拡大して誤魔化しているに過ぎません。本当にただただ、「関係がない」話をされているだけです。






 もちろん私はrag_en氏が名誉棄損で起訴されたなどという話もしていない。

前回の記事を確認してみましょうか。書き換えられても困るので魚拓で。

【魚拓】生活保護不正受給という難癖も、支援団体Colaboにとっては突破しなければならない争点のひとつのままだということに気づいていないのかな? - 法華狼の日記

 いずれにしてもrag_en氏が「タコ部屋」や「生活保護不正受給」という主張をとりさげないのであれば、その争点にしぼって「突破」されることを拒否はできないだろう。Colaboも検察も裁判にかけるリソースは無限ではない。

し て ま す ね 。

あえてクドい書き方をすれば

『「タコ部屋」や「生活保護不正受給」という主張をしているrag_enが*6、その主張を取り下げないのであれば、「タコ部屋」や「生活保護不正受給」という争点にしぼって、rag_enが「突破」される事を拒否できない。その、rag_enが拒否できない「突破」とは、Colaboや検察の限られたリソースにより名誉毀損で裁判にかけられる事である。』

…の意味でしかないですよね、これ。どう見ても。

繰り返しますが、これは、hokke-ookamiさんがどの様な意図であったかは全く関係ありません。観測される事実としての話です。

あくまで暇な空白氏が当該争点を維持していることを認めるのであれば、その争点で暇な空白氏が起訴されることを拒めないだろう、という話をしてきた。

おもっくそ主語が変わってますがな。というか、やはり意味不明ですしね、この文章。起訴される事は、暇空氏が拒む拒まないという話ではないですし、起訴理由に「暇空氏が当該争点を維持していることを認めるか否か」も関係ないでしょう。本当に何を言っているのだろう。

hokke-ookamiさんのリテラシーについて、その無茶苦茶さがよくわかります。

なお当然ですが、暇空氏の名誉毀損についての裁判において、「争点にする」の主語、つまりその主体はColabo側です(暇空氏はその客体です)。これも前々回に

そもそも「争点である/ではない」ではなくて、(Colabo側がこの名誉毀損訴訟において)「争点にしている/していない」でしょ。

と述べてある通りです。



「「未だにスーパーファミコンマリオカートをプレイしているのか」という文章だけでは、「Switch2の最新作をプレイすべきなのに」の意味を含むか否かの判断はできないでしょう」というたとえ話をしたことには困惑した。そのたとえ話についていえば、もちろん別の具体的な作品をプレイすべきという含意は特別な文脈がなければ読みとれないだろうが、スーパーファミコンマリオカートをもうプレイしないことは暗に求められていると読めるだろう。

読めるわけないでしょ。

例えば「未だにスーパーファミコンマリオカートをプレイしているのか、根気があるなぁ」と続ける事だってできるのですから。何のコンテクストもなく、「スーパーファミコンマリオカートをもうプレイするな」なんて意味の読み取りをできるわけがない。

書き手にその意思や意図があろうがなかろうが、その記述だけでそれらをエスパーして「Switch2の最新作をプレイすべきだとでも言うのか!」と反駁してしまうのであれば、それはもう、ただのおかしな人でしかありません。

と、ほぼ似たような事を、そのまんまやらかしてしまうhokke-ookamiさんの読解を目の当たりにして、もう乾いた笑いしか出ませんね…。









という訳で、やはりhokke-ookamiさんのリテラシーは相変わらずアクロバティックすぎるよね、という話でした。



毎回の記事冒頭に

「アクロバティックリテラシーで定評のあるhokke-ookamiです、こんにちは」*7

と入れて頂くだけでいいんです。こちらが望んでいるのは、ただそれだけです。
こんなにも手間をかけさせられたのですから、これくらいのお願いは通ってもバチは当たらないと思うのですが。

*1:引用箇所の面積は、この場合あまり参考にすべきではないが、回数は一応の参考にはなるだろう。

*2:太字は引用者によるもの

*3:そもそも、小川たまか氏が信用できる語り手か?これは報道と呼べる様なものか?という話だが、そこは置いておくとして。

*4:https://b.hatena.ne.jp/entry/4769182214567148225/comment/rag_en

*5:この場合は、真実を隠している…くらいの意味。

*6:この時点で意味不明なのだが。

*7:「法華狼」でも構いませんが。こちらはサイドのプロフィールにそう記載されているから、そう呼んでいるだけなので。

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